茶道具買取・売却の知恵

茶道の行事やお茶事

七事式は江戸中期に表千家と裏千家の両家元が合議の上で作られた稽古法です。茶道の修練、茶の湯の精神、技術をみがくために制定されました。

式には花月(かげつ)、且座(さざ/しゃざ)、員茶(かずちゃ)、茶カブキ(ちゃかぶき)、
一二三(いちにさん)、廻り花(まわりばな)、廻り炭(まわりずみ)の七つがあり、
それぞれから学ぶべきことがあります。

式によっては役札を引き、参加者が亭主や補助役、客側に割り振られます。
役札を引くことにより亭主、補助役、客側と様々な立場の振る舞いを要求され、
臨機応変に対応することが出来るようになります。

七事式(しちじしき)

花月之式 -茶道に対して臨機応変に対処出来るよう学ぶことが目的とし、
七事式の中で最も厳しく、変化に富んだ茶事です。
この式では花月札と折据を用いて役を決め、
花の札を引いた方が茶を点て、月の札を引いた方が茶を頂きます。
どの札が当たっても冷静な対処をし、役割に見合った動きを行うことが要求されます。

且座之式

花月札と折据を用いて、
花、月、正客、次客、三客の五役を決めて行われました。
花を生け、炭をつぎ、香をたき、濃茶を練り、薄茶を点てるため、
且座はお茶の全てが含まれています。
式名の且座は表千家では且座(さざ)、裏千家では且座(しゃざ)と呼ばれます。

員茶式

七事式で花月が厳格な式として扱われるのに対し、
員茶式は煙草盆や菓子器で席中を和らげて、薄茶を頂きます。
客の数だけ茶を点てるので、数茶とも呼ばれます。
大きな折据に十種香札を入れ、札を取りながらお互いに茶を点てていただきます。
十種香札というのは菊や桜、萩や牡丹など十種の絵柄の描かれた札で、
香道や茶道において用いられる道具です。

茶カブキ之式

濃茶を飲んで茶銘を当てる遊びの一種で、
闘茶をもとに味覚の修練のために行われました。
行う際には花月札と折据を用いて役を決めます。
茶カブキ之式では最初に二種類の試し茶を飲み、その味を覚えておきます。
次に三種類の本茶(最初の試し茶二種と、名前の伏せられたもう一種)を飲み、
初めの試し茶の味を元に三種の味を飲み当てるという流れになっています。

一二三之式

亭主の点前に客が札を打って評価をする式です。
濃茶点前が行われることが多いですが、炭手前、薄茶点前を行うこともあります。
月の一、月のニ、月の三、花の一、花のニ、花の三、一、ニ、三と続き、
十種香札を使い、9段階の評価を行います。
ただし最高評価の月の札は家元クラスでないと出されることはありません。
亭主側のみが大変な点前だと思われがちですが、
お茶の点て方や点前全般の亭主の態度等も評価の対象になり、
技術だけではなく、人に見られること、人を見ることで心を磨いていく式です。

廻り花之式

花の生け方の修練を目的としたもので、
亭主により用意された花を順番に生けるという茶花の稽古です。
そのため廻り花之式ではお茶を点てることはありません。
花を入れる時にあれこれ思量を巡らせたり、技巧を凝らしたりせず、
執着のない心で花を入れることが求められています。

廻り炭之式

炉の季節にのみ行われ、炭手前の修練を目的としています。
亭主が炉中の火をあげて、正客から順番に炭をつぎ変えてきます。
このとき基本的に前の人がついだ炭の形は避け、異なった形につぎます。
一巡とは限らず、止炭がかかるまで炭の変化を楽しみます。
炭のつぎ方は湯の湧き方に影響し、
美味しいお茶を振る舞えるかどうかを決めることになります。
どう炭をおけば火が起こりやすく、無駄がないか、
炭のはさみ方や火箸の扱いを学ぶことが出来ます。

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茶事七式

茶事とは茶の湯において懐石、濃茶、薄茶をもてなす正式な茶会のことを指します。
元々は広く茶の湯全般を意味する言葉として使われていました。
しかし近年、多くの客を一同に招く「大寄せ」が盛んになり、茶会というと大寄せ茶会をさすようになったため、これと区別するために茶事という言葉が用いられるようになります。
茶事は季節の変化や一日の時刻に応じて催され、一定の形式化がされています。
そのなかでも一日の時刻の変化により客をもてなす法を変化させた七つの茶事を茶事七式といいます。

1. 正午の茶事

正午の茶事では正午ごろを席入とし、昼食を兼ねて行われます。
席入すると正客の挨拶があり、亭主が初炭を行います。
その後懐石、菓子と出され初座を終え、
亭主が茶室の飾り付けを改め、濃茶の準備をするための中立ちをはさみます。
準備が整うと銅鑼の合図で、再び客を迎え席入します。
濃茶、後炭と続き、薄茶が出されて後座は終わり、客が退出するという
二刻(約4時間)にもわたる茶事です。
正午の茶事は催される回数も多く、一年を通じて行われており、
炉正午の茶事は最も格調高い正式な茶事とされています。

2. 朝茶

朝茶は風炉の時期、夏の早朝に催される茶事です。
夏の朝のまだ涼しい時間、午前5時や6時頃から始められ、
席入、初炭、懐石、中立、濃茶、続き薄茶の順に進められます。
他の茶事等では後炭という炭手前も行われますが、朝茶と夜咄の茶事は後炭を省略し、
濃茶を仕舞わず続き薄茶が出されるのが通例です。
懐石では向付に生の魚介類はさけ、焼物を省略した一汁二菜が用いられます。
昔は茶事というと、季節を問わず朝茶が中心となっていましたが、
千宗旦以降は酷暑の頃に催されるようになりました。

3. 夜咄

炉の季節の冬至近くから立春までの間で、夕暮れから行われます。
夕暮れ時から冬の夜長を楽しむ茶事で、夜会とも呼ばれました。
電灯の光は使わず、手燭の灯りや炉に熾る炭火、
寒気の中にあがる湯気などを楽しむ茶事です。
灯りの種類は様々あり、
茶室では短檠(たんけい)や座敷行灯、拝見や点前の時には手燭が用いられます。
初座の挨拶が終わると寒さをしのぐため、水次や水屋道具で薄茶を点てます。
これは前茶(ぜんちゃ)と呼ばれるもので、寒い季節に催される夜咄独特のものです。
前茶を頂くと、初炭、懐石、中立、濃茶、続き薄茶の順に進められます。
花を入れると陰が心を惑わすとのことで、夜咄では花を生けることはありません。
代わりに禅僧の持つ払子(ほっす)や如意などが床飾りに用いられます。

4. 暁の茶事

暁の茶事は炉の季節に行われ、極寒の朝の夜明けにおける清涼感や、
曙光の風情を楽しむ茶事といわれています。
主に12月から2月にかけての冬の時期に早朝4時5時頃から始められます。
昔は夜を込めて露地入りをしており、この茶事は朝会と呼ばれていました。
しかし朝会の案内に夜を込めて行く事が稀になったため朝会とは別に、
日の出の2時間前頃に席入するものを暁の茶事と呼ぶようになりました。

5. 飯後の茶事

食事時を外して行われる茶事です。
食後に案内され、菓子と濃茶、薄茶が出されることから菓子の茶事とも呼ばれます。
通常の炉では初炭、小吸物、八寸、酒、菓子、中立、濃茶、薄茶と決まっていますが、
飯後の茶事では点心を出すことや、八寸や酒、中立を省略する場合もあります。
正午の茶事のように順序の定められている他の茶事に比べると、
変化に柔軟に対応でき、気軽に楽しめる茶事です。

6. 跡見の茶事

茶会が終わったあと、茶会に参会出来なかった希望者に道具の取り合わせや、
趣向などを見せるための茶事です。
茶事七式の中では唯一客からの要望で開かれることになっています。
跡見の茶事は季節問わず行えますが、主に朝茶や正午の茶事の後に開かれるもので、
夜咄の茶事では跡見は行われません。

7. 不時の茶事

予め決められた茶事ではなく、不意に来訪した客をもてなすための茶事です。
臨時の茶事とも言い、突然催されるため万全の状態でなくても良いとされます。
予めの準備が出来ないため、不揃いな道具や有り合わせのものを用い、
客を待たせないよう臨機応変に対応しなくてはいけません。

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年中行事

初釜

新年に初めて炉に釜をかけて行われる茶会のことです。
濃茶、薄茶、懐石を召し上がって新年を祝う場で、
点初めや初寄りとも呼びます。
床の間の掛軸は初春に相応しい語句や和歌を掲げ、
初春の茶を楽しむ場となっています。

初風炉(しょぶろ)

5月になって初めて開かれる茶会を初風炉といいます。
11月~4月まで使用していた炉を塞ぎ、5月~10月は風炉を用いて茶会が行われます。
昔は四季を問わず、風炉が使われていましたが現在は夏に風炉、冬に炉をと使い分けられており、立夏頃には炉を閉じるようになっています。
初風炉では初夏の薫りが感じられるような趣で道具の取り合わせや懐石を整えます。

名残の茶事

風炉が炉に変わる前の10月頃に行われる、風炉を名残惜しむための茶事です。
通常5月~10月まで茶室には風炉が据えられ、11月より炉開きが行われます。
11月は炉開き、口切りと二つの行事が重なり、大変めでたい月として、茶の世界では「茶人の正月」と呼ばれています。
そのため茶人の正月前の10月は暮れにあたり、道具も寂びた風情のものが好まれ、名残を惜しみます。

炉開き

冬になって風炉の使用をやめて炉を使い始めることを炉開きといい、茶の世界では10月終わりから11月初めにかけて行われます。
炉開きを迎えると、初夏に摘んで寝かせていた新茶を用いる口切が行われるため、茶の世界では11月は茶人の正月と呼ばれています。
一般的には5月~10月に風炉、11月~4月に炉が用いられ、炉開きは5月の初風炉同様重要視されています。
また炉を使い始めることとは逆に、4月になり炉や囲炉裏を塞ぐことを炉塞ぎと言います。

口切りの茶事

口切りの茶事は11月頃、炉の時期に行われます。
茶の湯では一足早く11月に正月を迎えるため、炉開きを兼ねた茶人の正月行事として重要視されています。
詰茶の点て初めとなり、その年の新茶を挽いて催される非常に格式の高い茶事です。
一つの壷で一度しか行えませんが、口切りを行ったあと亭主の印で封じられて行われる茶事も口切と呼びます。こちらは二度、三度と催されても良いとされています。

利休忌

利休忌では茶道を大成した千利休の遺徳を偲んで、追善の茶会が催されます。
2月28日に大徳寺で千利休居士の毎歳忌が行われ、約一月後の3月27日に表千家、3月28日に裏千家、武者小路千家で利休忌を行い、追善の茶会をしています。
利休忌では門弟が集まり、利休の肖像を掛けます。その後茶湯をして利休に茶を供えると、門弟一同で薄茶を頂き、利休の遺徳を偲びます。