新着情報

水指の形状と種類~やきもの(陶磁器)その2

2016/09/27

水指の形状と種類~やきもの(陶磁器)その2


  

その1につづき、やきもの(陶磁器)の水指を紹介します。

  

葡萄棚(ぶどうだな)

  

丸みをもたせた胴張の八角形をした水指で、角稜に柱を描いて棚組に葡萄をからませた絵が描かれています。染付水指の代表的なものです。

  

桶側(おけがわ)

  

桶の側を模した型物の古染付水指です。桶側は、胴に入れた竪筋が桶の側面を思わせるところからこの名があるといいます。 桶側は、菊弁状にくびれた円筒状の胴に、詩箋の文様が見立てられています。括れに藍で縦筋が入り、口辺下には、雷紋繋ぎが描かれています。

  

呉須(ごす)

  

呉州とも書きます。染付の一種ですが、藍の色がやや黒ずみ、作行も鈍重な印象を与えているのが、侘び寂びの趣として喜ばれています。

  

菱馬(ひしうま)

  

菱馬は、呉須形物水指の一種で、両端を落とした菱形の胴に、馬の絵が描かれたものをいいます。 馬は、団扇形の輪郭を描いた中に、前面に2頭の馬が背中合わせに、背面には1頭の馬が描かれています。菱馬は日本からの注文品で、下絵は雲谷等顔が描いたものと伝わっています。

  

色絵(いろえ)

  

彩磁ともいいます。藍を基調とした中に、赤・黄・緑・褐色を加えた絵や紋様を施した華やかな色合いの水指です。

  

万暦桝(ばんれきます)

  

端反になった四方鉢で、色絵水指の代表的なものです。各面と見込に丸龍、四隅には花枝が描かれています。花枝の代わりに朝顔が描かれたものを最上とします。

  

祥瑞(しょんずい)

  

祥瑞は、中国明代末の崇禎年間(1628~1644年)に景徳鎮窯でつくられた上手の染付のことをいいます。 祥瑞水指には、純白の地にコバルトで、花鳥や吉祥紋などが精密に描かれています。共蓋が喜ばれ、「五良太甫呉祥瑞造」の在銘のあるものが最も貴重とされています。

  

蜜柑(みかん)

  

祥瑞水指の一つです。平丸形で、周囲に捻模様に丸紋をあしらったもの、山水などの絵が描かれたものなどがあります。共蓋で、蓋の表裏に模様のあるものが珍重されます。


安南(あんなん)

  

安南はベトナムを意味します。べトナムでつくられた陶磁器の総称で、灰色の素地に藍で草花や龍などが描かれています。