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水次の扱い方 ~ 茶道の知識

2016/09/01

水次の扱い方 ~ 茶道の知識


水次~持ち方

水次には、木地曲、塗りもの、やきものの「片口」と、唐銅、素銅、南鐐などの「薬鑵」の二種類があります。棚手前や置き水指の場合、お仕舞のあとに水次を持ち出して、水指の水に注ぎます。


水次は実用のもので、片口・薬鑵の双方とも把手がありますが、扱う場合は、片手ではなく、もう一方の手も添えて必ず両手で扱います。炭手前のときの持ち方も同様です。


水次~準備


点前や点前中の所作によって、水次の口を向ける方向を右に向ける場合と、左に向ける場合があり、持つ手も変わりますが、扱いは同様です。


片口

1.口から水がこぼれないように気を付けて、水漉しを使って水次の七分目ほど入れます。

2.布巾で余分な水分を拭います。

3.水次の蓋をします。

4.茶巾をたたんでのせます。

木地の片口の場合は、水でよく濡らし、よく拭ききってから用います。やきものの片口同様、茶巾をたたんで蓋にのせます。


持ち方:把手をしっかり握り込んで、もう片方の手は、下から受けるように添えて持ちます。


薬鑵

片口と同様に、水を入れた後、蓋に茶巾をたたんでのせます。

持ち方:薬鑵の提手をしっかり持って、もう片方の手は、下から受けるように添えて持ちます。片手だけで持つようなことはしません。


水次~水指への水の注ぎ方


本勝手、逆勝手、または何に注ぐかによっても水次の口の向きが変わりますが、水指に注ぐときは、口を客付に向けて持ち出します。片口か薬鑵を使います。


片口

左手で把手を持ち、右手を片口の底に添えます。

薬鑵

左手で手を持ち、右手を薬鑵の底に添えます。


片口・薬鑵とも水を水指に注ぐときは、一方の手で水次の把手を持ち、もう一方の手で茶巾を口下にあてて、水を注ぎます。


水次~釜への水の注ぎ方


釜に水を注ぐという所作を、客の目の前で行う際は、清涼感を演出することを忘れないようにしましょう。釜に水を注ぐときは、水指と同様、片口か薬鑵を使います。


片口

片口で釜に水を注ぐときは、竹蓋置を使いません。

釜の蓋を預けるときは、片口の蓋を裏返しした上に置きます。釜の蓋は金属ですので、片口の蓋の上には音をたてないよう静かに置くようにします。


1.片口を席中に持ち出します。

2.茶巾を釜の蓋の上にのせます。

3.両手で片口の蓋をとります。

4.蓋を和綴じの本を開くように、右に返して裏を向けて釜正面に置きます。

5.釜の蓋を片口の蓋の上に静かに置きます。

6.茶巾を片口の口下にあてて、釜に水を注ぎます。

7.釜に蓋をして、茶巾で釜を清めたら、茶巾を片口の蓋に置き、そのまま蓋を片口に戻しこのままもって水屋に下がります。


薬鑵

風炉・炉いずれかの竹蓋置きを口に指し、向きをどちらかに向けて置きます。


1.薬鑵を席中に持ち出します。

2.茶巾を釜の蓋に預け、右手で蓋置を取って扱い、釜正面に置きます。

3.釜の蓋を蓋置の上にのせ、茶巾の角で薬鑵の口蓋を開けて、釜に水を注ぎます。

4.注ぎ終えたら、茶器の角で薬鑵の口蓋を閉め、釜の蓋を閉めたら、蓋置を右手で薬鑵の口に戻します。

5.釜を清めたら、茶巾を薬鑵の蓋の上に戻し、薬鑵を持って水屋に下がります。


水次~後片付け


素材にかかわらず、水次に残った水を捨て、湯通しをして水分を拭き取ります(ぬるま湯でしっかりと濡らして洗い清めて、乾いた布巾で水気を拭きとります)。

塗ものや塗り蓋の場合は、布巾をぬるま湯で絞り、押さえ拭きし、その後乾いた布巾で清拭きします。


湯通しして水気を拭き取った水次は、布巾にのせ、陰干しして良く乾かし、天気の良い日に箱にしまいます。備前焼や南蛮物などは水分が染み込みやすいので、十分に乾くように少し長く干してからしまいます。


※茶道の作法は、流儀によって異なりますが、ここでは裏千家の作法をもとに教本などに沿って紹介しています。






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