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岩崎新定の袋形水指

作家名: 御所焼 岩崎新定作
更新日: 2009/12/16

膳所焼は徳川初期の元和年間に陶器を
作りはじめておりましたが、
寛永13年に時の膳所藩主、
石川忠総が当時の茶博士、小堀遠州の
指導を得て遠州好みの茶器を焼き始めました。
初期の作品は大名間の贈答用として
造られたもので精選した原料を用い、
熟練した工人の手になるもので、
茶入れ、水指が多く見られ、
中興名物にも大江、白雲なる銘の茶入れが
取り上げられております。
中期には藩主の庇護の下に細々と仕事が
続けられておりました。天命年間になりますと
土地の人小田原屋なる人が交趾風の梅林焼と
称する陶器を始めましたがまもなく中絶し、
続いて雀ヶ谷焼きなる名の下に明治11年まで
続けられましたが、経営困難のため廃窯の
止むなきに至りました。

大正8年、膳所の人岩崎健三、名窯の廃絶を
惜しみ山元春挙画伯とはかり、
その再興に生涯をかけ途中非常な努力を以って
維持経営に努め、茶器製作においては
遠州七窯のひとつとして恥ずかしからぬもの
となり続いて健三の長男、新定その業を継ぎ、
今日では陶磁器業界はもとより茶道界に
おいても膳所窯は著名な存在となっております。