買取実績紹介

峯岸勢晃 翠青磁茶碗

作家名: 峯岸勢晃
更新日: 2018/2/25

峯岸勢晃とは

今回お買取りした作品は貫入が入った幻想的な作品を作り続けている峯岸勢晃の作品をお買取り致しました。

1952年に埼玉県で生まれた峯岸勢晃は、最初から陶芸家になろうという意思はなく、高校卒業後は音響メーカーで新製品開発の仕事をしていたそうです。

その後、仕事をする前から興味のあった絵を本格的に描く為会社を退職した峯岸勢晃に対して「何かの役に立てば」と会社の先輩の知人で長野県小布施町にて奥信濃焼を作っている人の所へ遊びに行きます。

そこで陶芸の製作工程を見学しロクロの体験をした峯岸勢晃は、今まで触った事のない焼物の暖かさや素朴な作風に魅力を感じ、どんどん焼物の世界にのめり込んで行きました。

その後、1年間先輩の知人の元で修業を行った峯岸勢晃は、もっと技術を身に着ける為笠間焼が有名な茨城県笠間市や、益子焼が有名な栃木県益子市などで修業を積み陶芸家デビューを果たします。

また、伝統工芸展新作展や日本伝統工芸展に入賞するなどし、現在は、栃木県那須町に工房と窯を作り現在も様々な作品を作り続けています。



峯岸勢晃の作品


峯岸勢晃は、陶芸を始めた当初粉引きや刷毛目などに見られる生命感のある歪みに魅了され作り始めますが、実際作ってみると自ら歪みを作り出す事に違和感を覚え始めます。

自らの作品に疑問を抱き始めた時、釉薬の色と肌が大事にされている青磁を見て感動し、そこから現在まで青磁一筋で作品を作っています。

青磁は、薄い緑やブルーなどとても透き通った透明感のある色合いが特徴ですが、この色は簡単に作れないそうです。

現在でも陶芸家の間で「青磁は体を潰す」という言葉があります。

青磁の青色は土、釉薬、火加減の微妙な差で変わり、窯から出すまで成功かどうか分からない事から透明感のある美しい青を出すには多くの時間とお金を費やします。

この事から、青磁を作る陶芸家は作品が完成するまでお金と時間がかかり、生活が苦しくなってしまう人が多いので上記のような言葉が生まれました。

しかし、峯岸勢晃はそんな心配をよそに青磁の技術を安定させ米色瓷という作品も完成させました。

また、二重貫入で作られる氷裂貫入というのも峯岸勢晃が得意とする技法です。

氷裂貫入とは

氷裂貫入とは、名前の通り氷がひび割れたような貫入の事を指し、様々な貫入が重なっている事から二重貫入とも呼ばれています。

二重貫入は、釉薬を厚く塗る事で素地と釉薬の吸収率に大きな差がおき、窯の冷却時で1度目の貫入が入り、常温で置いた時に釉薬の厚みに対して2度目の貫入が入ります。

二度貫入が入った事で貫入同士が重なったように見え、1度貫入が入った作品とはまた違う芸術品へと仕上がるのです。

峯岸勢晃は、氷裂貫入の壷や茶碗、香炉など数多くの作品を手がけその美しさから多くの人々を虜にさせています。



お買取りした作品について


今回お買取りした峯岸勢晃の作品は、緑色で氷裂貫入が入った「翠青磁茶碗」というお品物です。

お茶碗の底まで細かく美しい氷裂貫入が入っていて、カケや傷などもなく共箱も付いている事から高評価でのお買取りとなりました。

峯岸勢晃は、今回お買取りしたお茶碗以外でも壷や香炉、花瓶など様々な作品を現在も作り続けている現代作家さんですが、美しい作品を数多く作っている事から中古市場でも高く評価されています。

また、釉薬の研究を重ね作られた米色瓷や独特な形をした作品などもお買取り対象となりますので、峯岸勢晃の作品の売却をお考えでしたら是非いわの美術までお問い合わせ下さい。

弊社では、今回お買取りした茶碗以外にも棗、急須、茶釜などのお茶道具や、油彩画、版画などの絵画、日本刀や甲冑などの武具など幅広くお買取りしております。

遺産相続、遺品整理、引っ越し、コレクション整理、生前整理などの売却にあたりお困りな事がございましたらいわの美術までお気軽にご相談ください。

個人の方や業者様からのご依頼もお受けしております。


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