買取実績紹介

白井半七の火入

作家名: 白井半七
更新日: 2015/2/1

白井半七の火入買取りました

こちらのお品物は、白井半七の火入です。 火入とは、たばこ盆に灰吹とともに仕組まれ、火種を入れておく器のことです。 火入の材質には、金属製など様々なものがありますが、一般的には陶器や磁器などが用いられます。

江戸時代の喫煙には火入が欠かせないものだったのですが、現代でもたばこ盆が使用されている茶道の世界で火入れは、茶事や茶会を行う上で欠かせない重要な役割を果たしています。

茶事の場でたばこ盆と火入は、客に喫煙のタイミングを伝えるだけでなく、亭主のもてなしの心を表す道具としても使われています。主に3回使われ、まずは茶事において、客が最初に入る場所である「寄付き」という身支度などを行う準備室にて使われます。火入の中の崩れ始めた炭火を準備し「首を長くしてお待ちしておりました」「喫煙をされる方はこちらで一服なさってください」という亭主の気持ちや心遣いを示します。

次に、茶室へ入室する前に客が待機する「外腰掛」では、キセルと刻みたばこを載せたたばこ盆が火入などとあわせて用意され「喫煙される方はこちらで」という亭主のもてなしなどを表します。

その後、茶事が滞りなく進むと「薄茶」の席で火をおこしたばかりの火入の用意されたたばこ盆が出され「時間を気にせずゆっくりと」という亭主の気持ちを表現しています。このそれぞれのタイミングに違う灰形が使われ、火入ひとつにも茶道の奥深さを感じます。


今回お買取した白井半七の火入の共箱には「むぎわら 火入」と書かれていますが、この「むぎわら」とは「麦藁手」のことを指し、写真のように茶碗や筒型の器などに、縦縞文様が引いてあるものをいいます。 お買取した麦藁手の火入は、赤・青・緑・黄色など様々な色の縦縞文様がありますが、その縦縞が黒や藍色のみ一色のものや、赤やあるいは釉裏紅などが混じったものものあります。線の引き方がぼってりと伸びている形が麦の穂に似ているので「麦藁手」とよぶそうです。 今回お買取の麦藁手も縦縞の線の書き方が素朴で、均一でない点味わいが感じられる作品でした。

白井半七の作品買取ます

白井半七は江戸時代に活躍した今戸焼の名陶の名で、現在まで続く今戸焼の名の知れた系譜であり、初代は京都の土風炉師より技法を修得し、土風炉や種々の茶器を制作したと伝えられています。 初代の技法を継承する二代のころより瓦器に施釉した楽焼風の軟陶を制作して、今戸焼とよばれるようになります。 四代、五代のころには、京都の伏見人形の影響を受けた今戸人形を制作し、浅草寺参詣等の土産物として隆盛したとされています。 七代の時に関東大震災で窯が崩壊し、兵庫県伊丹市に移窯し、この頃までが今戸焼とよばれ、現在、今戸焼は分家が東京都台東区今戸で今戸焼を守り伝えています。

七代の頃から白井半七の歴史は変化し、八代では小林一三の招きを受けて、兵庫県宝塚市に移窯し、仁清・乾山写し等の華やかな京焼の作風を採り入れた数々の作品を生み出しました。 九代は、兵庫県三田市大原に窯を移し、八代の作風を受け継いで乾山写を得意とし、昭和の時代を作陶に励みました。


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