茶道具作家紹介

熊野九郎右衛門 くまの くろうえもん

更新日: 2018/03/04

熊野九郎右衛門について


福井県鯖江市出身の現代陶芸作家の熊野九郎右衛門藤田重良衛門戸田宗四郎に師事し、作陶を学びます。

彼の作り出す独特の世界観から「熊志野」となずけられた器は、1460度の炎の中から生まれます。この温度は、マグマ(800~1200度)を優に超える超高温です。完成した作品は、溶ける寸前・割れる寸前の状態で、猛々しい炎を映し出すかのような様相からは、土・炎・風など自然の生命力を感じます。展覧会では、作品と共に熊野九郎右衛門がしたためた書が添えられていて、直感的でダイナミックな言葉と文字造形がとても印象的です。



熊野九郎右衛門の作品の特徴


熊野九郎右衛門が作品制作する際にテーマとしているのは「ドロドロ」とした美です。極限の中から見える焼物の普遍的な美を追求しています。彼にとっての「美」や「生」は極限のぎりぎりの状態で一瞬見えるもので、こうした観念が普通の焼物であれば溶けたり割れてしまうような超高温での焼成というスタイルへと導いたのでしょう。また、彼は自身の作品を地球の内臓が丸見え」と形容するように、言葉での表現も独創的です。

高温時に炎は酸化と還元を繰り返しますが、それは炎が生きるために行う自然の現象で、人で例えるなら呼吸をしているようなものだと語ります。熊野九郎右衛門は、炎・土・地球など様々な自然の生命エネルギーを敏感に感じ、それを実直に焼物へと昇華することで、作品を生み出しています。

高い芸術性はもちろんのこと、実用性や機能面においても考えられた作品は、黒田陶苑・阪急・伊勢丹など大手百貨店などの個展で大きな注目を集めています。


熊野九郎右衛門の略歴

1955年 福井県に生まれる。

     名古屋造形芸術短大で日本画を学び、卒業

1976年 越前の窯元にて修行を開始

1982年 戸田宗四郎に師事する

1985年 旧ソ連へ窯焚きの指導のために、陶土開発のためにサハリンへ招待される

1987年 「陶房・旅枕碗寮」を築き、以降、全国各地での個展活動をはじめる

2000年 ドイツ外務省より招待を受けドイツに渡り、講演を行う。



熊野九郎右衛門のお買取りについて


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