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茶の湯で使われる用語 ~ 茶道の知識

2016/05/18

茶の湯で使われる用語 ~ 茶道の知識


日本の伝統文化の象徴のひとつといえる茶の湯。その世界を知ろうとするとき、茶道を嗜んでいらっしゃる方にとっては、よく使う言葉であっても、一般には馴染のない言葉が多く見受けられます。ここでは、茶の湯の世界を知るにあたって、よく使われる用語について簡単に説明します。


茶の湯

客を招き、抹茶をたてて楽しむこと。哲学や美術、歴史など芸術としての茶、日本文化としての茶のすべてを含む。一般的に使われる「茶道」と同じ意味として用いられる。


亭主

茶会を主催する人。


茶会に招かれた人。茶会に参加する人。


茶室

茶会・茶事を行うための専用の建物または部屋。古くは茶の湯座敷、数寄屋、囲いともいい、江戸時代以降に茶室という言葉が使われるようになった。草庵茶室と書院茶室に大別される。


露地

茶室に付随する庭。茶庭ともいい、茶室へは普通、露地を通って入る。露地には、一般的に、飛石、蹲踞、腰掛、石燈籠などが配されている。


床の間

茶室内で飾りをする場所。床の間の「床」とは「畳」を指し、床の間が登場したのは、書院造ができてからである。元来、仏様を祭る場所だけに畳が敷いてあり、のちに仏様を祭る床の空間が省略され、仏画や書画を掛けるようになった。

一般的な床の間は、茶室から少し出っ張って付けられ、茶室内より少し高くなっている。


待合

茶会に参加する客が待ち合わせをする場所。本来は露地の入り口付近にある小さな建物であったが、現在では大きな建物の一室が使われることがある。


点前

茶会・茶事で茶を点てるために亭主が演じる一連の動作のこと。


懐石

茶会で出される料理のこと。漢字の違う「会席料理」は、料亭で出されるコース料理のこと。


名物

名物とは、古来、有名な物として、また銘を付けて愛玩されてきた器物を意味する。茶道では、江戸時代あたりから、伝来していた名品を評価・分類する意味で、「名物」という言葉が使われるようになった。名物には「大名物」や「中興名物」などがあり、織田信長が茶道具の名品を集めた政策「名物狩り」が有名。


茶会

茶室で茶道具を用いて、亭主が点前を行い、客が茶を飲み、食事(懐石)をする集まりをいう。茶会には様々なスタイルがある。


茶事

懐石、濃茶、薄茶をもてなす最も正式な茶会のこと。多くの客を招く「大寄せ」茶会と区別するために、茶事の語が用いられるようになった。


茶会記

茶会の記録のこと。現在の茶会では、使用される茶道具を一覧にして、客に渡されたり、待合に置いてある場合がある。


侘数寄

茶の湯の基礎となる哲学。茶の湯の美の基準。


濃茶

抹茶を多く用い、湯を少し足してペースト状に練り上げて啜り飲むものをいう。通常は、数人が同じ茶碗で飲み分ける。


薄茶

濃茶より抹茶の量を減らしたもので、湯と撹拌し、液体として飲むもの。通常は一人が一碗の茶をすべて飲む。


炉・風炉

炭を入れ、釜に入れた水をわかす装置。炉は畳を切って備え、風炉は畳の上に板を敷いて設置する。現在、炉は11月から4月頃にかけて、風炉は5月から10月頃にかけて使う。