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点前の種類 ~ 茶道の知識

2016/06/26

点前の種類 ~ 茶道の知識


お点前とは、亭主が客にお茶を点てる一連の所作をいいますが、茶道の稽古というとその多くが点前の反復練習となるほど、茶道では重要な要素となっています。


正式・略式


正式な茶会には、濃茶点前と薄茶点前に、炭点前(炭手前)と懐石が加わり、これを「茶事」といいます。 略式の点前には、机と椅子で行う「立礼」、屋外で行う「野点」、茶道初心者のために考案された「盆略式」などがあります。


炭点前:風炉や炉の中の炭を整えることを儀式化し、型としたもので、「初炭点前」と 「後炭点前」があります。 初炭点前は、茶事でお茶を点てる前の、釜に炭をついでいくための稽古で、後炭点前は、客が帰るまで火が落ちないように、途中で釜の炭をあらためるための稽古です。


濃茶と薄茶は、抹茶の量によって区別し、点前も少し異なります。茶会では最初に濃茶、後に薄茶を立てるのが正式とされ、現在では薄茶だけ点てる略式の茶会が多くなっているそうです。

近年では菓子をだして茶を点てるだけの略式な茶会が一般的となっており、通して30分ほどで終了するため、一度に数十人の客を招いて行う「大寄せの茶会」が多く行われています。


割稽古 ~ 茶道の知識


点前は家元制度の成立とともに、段階的に整備され、初心者から上級者まで稽古を積み、段階を踏んで進んでいきます。


割稽古とは、お点前をする上で必要な一連の所作の最も基礎となる重要な部分を、細かく段階を経て稽古を積んでいくことです。

茶道の初心者は、点前を構成する一つ一つの所作を取り出して稽古する「割稽古」をまず習います。流派により作法や所作は異なりますが、稽古する内容にあまり大差はありません。


割稽古では、服紗のさばき方、棗(茶器)を清め方、茶杓の清め方、茶筅通し、茶巾の扱い・たたみ方、茶碗の扱い方・清め方、柄杓の扱い方、お茶の点て方など、様々な所作を稽古します。


割稽古のそれぞれの所作には意味があり、例えば、茶器や茶杓を清めることは、道具を清めるだけではなく、自己の心を清めることにもつながり、それはまた、客への「もてなしの心」の表れでもあります。


茶道の稽古の原点ともいえる割稽古は、段階を進めていく中でも何度も立ち返って繰り返すものです。割稽古を習得してはじめて、これから先の様々なお点前をする際のスタートラインに立てるといえるでしょう。