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茶の湯 歳時記 ~ 初釜 ~ 茶道の知識

2016/01/06

茶の湯 歳時記 ~ 初釜 茶道の知識

茶道では、年が明け、新年を祝って、正月にはじめて炉に懸ける釜のことを「初釜」といいます。

初釜とは、新年初の茶会、あるいは稽古始めのことで、いわゆる新しい年を祝う茶の湯の新年会のようなものです。

初釜は社中や知人、友人とともに、新年に相応しい、おめでたい茶道具や、その年の干支や御題にちなむ道具を使って行われ、「稽古始め」「点て初」「初寄り」ともいわれます。


初釜という呼称は、明治時代以降に使われ始めたと考えられており、古くは「初会」「茶湯始」「初茶湯」といわれていました。 年の初めより十五日間の茶の湯は「大福」、それ以後は「春茶」ということから、元旦に島台茶碗で飲み回す大福茶が点て初めにあたるとされています。


新年の始まりの行事である初釜のある一月には、以下のような茶趣があります。


若水汲み

若水は井華水とも呼ばれ、古来、飲めば若返る豊かな生命力を持つ水と信じられてきました。若水は、寅の刻(午前四時頃)に井戸水が最も澄んで清浄な水になるといわれており、この若水を汲みにいくことを「若水迎え」といいます。 若水汲みは、一年の初めの厳粛な行事であり、清めて注連飾をした手桶に、若水を一年の無病息災を願って大福茶に用います。


大福茶

元旦の早朝(午前四時頃)に若水で茶を点て、家内一同が揃って飲む祝儀の茶を大福茶といいます。一般的には煎茶に梅干し、昆布、山椒などを入れてのみ、邪気を払って年が改まったことを実感します。 茶の湯の世界では、除夜から埋火にしておいた炉の中の火に、新しく炭をつぎ足して、釜に若水を満たして沸かします。 小梅、結び昆布を口取りとし、濃茶・薄茶を点てて飲み初めを行います。


結び柳

正月や初釜の床の間に飾る柳のことで、長い柳を中ほどで輪状に結んで掛け、花入は青竹の柳筒を用い、根締めには白玉椿などを入れます。和を尊び、魔を祓うとされ、結んで長い枝ほど喜ばれます。


振々香合

木製の槌形をした正月の子ども用玩具ですが、魔除けとされ、新年の室内の飾り物となりました。 振々香合はこの子ども用玩具の形をとったもので、鶴亀・松竹梅など吉祥図案を施して香合に仕立て、初釜などの床の間の飾り香合として用いられます。


初釜によく使われる掛物と銘

掛物…寿、福寿海、萬々歳、千里同風、松無古今色、天下一家春、鶴宿千年松、松高白鶴眠、千年丹頂鶴、神光照天地など

銘…祝、翁、戎、千歳、宝船、鏡餅、丹頂、老松、神楽、初音、豊年、春駒、福の神、君が代、七福神、青海波、曙、千代の寿、さざれ石、だるま市など



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