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茶入の付属品について ~ 茶道の知識

2016/05/12

茶入の付属品について ~ 茶道の知識


濃茶(抹茶)を入れる器である「茶入」は、天目茶碗とともに「茶に近い道具の第一」とされています。

茶入は、点前道具の王座を占める重要な茶道具の一つで、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康といった武将も、茶道具の中でも特に茶入を重要視し、恩賞としました。茶入は名物も多く、その付属品も様々なものがあります。


仕覆

濃茶入を入れる袋で、紙覆、修覆、仕服とも書かれます。茶入は仕覆をかけることによって初めて体裁が整うことになります。


仕覆は茶の湯の創始依頼、茶人によって様々な裂地が選ばれ、名物茶入には古くに渡来した名物裂の仕覆が合わせられました。

仕覆についた緒の色も茶人の好みによって、裂地との調和を考えて取り合わせられました。



茶入の蓋は象牙が基本ですが、他には骨、鹿角、一角鯨の角などがあります。

茶入の蓋の形状には、一文字蓋、すくい蓋、瓶子蓋、打込巣蓋、恵明蓋、二重すくい蓋などがあり、中でも象牙の芯の部分の神経を景色にしてつくられた巣蓋は、その景色により珍重されます。


茶入の蓋裏には金箔又は銀箔が貼られています。戦国時代の慣わしでは、茶会の度に新しいものに張りかえていましたが、今は古い金箔の方が感じが時代色があって良いとされ、そのままにして用いる場合が多くなりました。


挽家

仕覆に入れた茶入を保存するために、木材を轆轤で挽いてつくった挽物の容器を挽家といいます。

挽家は主として唐木の鉄乃木、桑、花梨が素材として使われ、中は漆皮や真塗などでつくられ、必ず茶入の銘が金粉か彫名で記してあります。中には、象牙彫りの挽家や蒔絵のものもみられます。挽家に茶入を入れた上で、挽家の袋に入れられます。挽家の袋は紬地などでつくられ、長緒がついています。


窯元や銘などが書き記された茶入の箱は、茶入の品格を表徴するものとして大切にされてきました。挽家に入れたものを最初に入れる箱が内箱で、さらに本袋・替袋とともにまとめて外箱に入れます。内箱は桐木地が多く、外箱は桐木地のほか、塗り物が多くみられ、侘びたものとして神代杉なども用いられます。


名物茶入には唐物、和物問わず、盆が添えられたものが多くあります。

盆は茶入に好んで取り合わせられます。中国から渡来したという「若狭盆」、真塗の四方盆である「羽田盆」、松の木にうす塗をかけ、木地をみせた「松の木盆」など種々の形の盆があります。