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水指の形状と種類~やきもの(陶磁器)その4

2016/09/27

水指の形状と種類~やきもの(陶磁器)その4

  

その3につづき、やきもの(陶磁器)の水指を紹介します。

  

備前(びぜん)

岡山県伊部のやきものです。無釉、焼締で土味と石はぜや胡麻釉、火襷、焦げなどの景色が喜ばれます。

  

種壷(たねつぼ)

  

もとは、農家で種子の貯蔵や発芽に用いられたといわれる壷が転用されたものです。

  

丹波(たんば)

  

兵庫県篠山の陶器・炻器で、古備前と似たところがみられますが、釉薬がかかり、海鼠(なまこ)釉の出たものなどがみられます。

  

瀬戸(せと)

  

愛知県瀬戸の陶磁器で、水指としての形状は円筒形や、丸壷などがあります。多くは黒釉の中に柿釉が現われ、渋味のある釉薬が見どころとなります。

  

志野(しの)

  

志野焼は、桃山時代から江戸時代にかけて美濃地方で焼かれたといわれています。白い半透明の釉薬が掛けられ、その下に鉄絵で簡素な文様が描かれたものがあります。

  

織部(おりべ)

 

美濃焼の一種で、桃山時代、岐阜県土岐市付近で始まり、主に美濃地方で古田織部の指導によって焼かれたと伝わる陶器です。形状、色釉、文様に技巧がみられ、斬新な意匠が特徴です。

  

虫明(むしあけ)

  

虫明は岡山県瀬戸内市(旧邑久町)の地名です。虫明焼は江戸時代から伝わるやきもので、岡山藩家老伊木三猿斎が、京都から初代清風与平を招いて虫明の地で焼かせたのが始まりとされています。 落雁絵の細水指が虫明水指の代表的なものとされています。

  

朝鮮唐津(ちょうせんからつ)

 

唐津焼の一種です。板起こしの底で、黒褐色の地土に黒飴釉と海鼠釉がかかり、海鼠釉の発色で豊かな景色となっています。

  

高取(たかとり)

朝鮮半島にルーツをもつ、福岡県高取山西麓で焼かれた陶器です。形状は円筒形、口四方、菱形などがあり、水指として多くつくられ、運び点前にも、棚点前にも使われます。柿、黒飴色、黄、海鼠などの流れ釉が美しく、掛け分けになっているものもみられます。

  

京焼(きょうやき)

 

京焼陶工によって焼かれた、優美で美しい色絵文様の施されたものです。


楽焼(らくやき)

 

樂家で焼かれたものと、脇窯または同様の手づくねの軟陶を総称しています。樂家では、樂歴代随一の名工とされる三代道入(別名ノンコウ)より水指がみられます。主として歴代家元の好み物が多くあります。