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水指の形状と種類~やきもの(陶磁器)その1

2016/09/25

水指の形状と種類~やきもの(陶磁器)その1

  

水指を選ぶには、時季や他の茶道具との相性を考えて、上手く調和する材質や形のものをとりあわせるのが基本です。

水指には金属で出来ているものもあれば、磁器や陶器、塗物や木製など様々な種類がありますが、ここでは、やきもの(陶磁器)の形状と種類について説明します。


やきものの水指には大きく分けて、磁器と陶器があり、それぞれに唐物、和物があります。

やきものの水指では、蓋が一緒に同じやきもので、つくられているものを「共蓋」と呼び、別に塗物でつくられているものは「塗蓋」と呼んでいます。


青磁(せいじ)

 

磁器の一種である青磁は、釉薬の中に少量含まれる鉄分が、焼成して青緑色に発色したものをいいます。青磁の水指は、端正・温雅など格調が尊重されることから、台子・長板・棚物にのせて使用されることが多くみられます。


青磁水指の形としては、杉形、鉄鉢、端反、輪花、酒会壷などがあり、無地のものから、浮牡丹など文様が施されるものもあります。

唐物の青磁水指では、砧青磁、天龍寺青磁、七官青磁があり、砧青磁が最上とされています。

※砧青磁:中国・南宋時代(1127~1279年)に龍泉窯でつくられた青磁のうち、粉青色の品質の高い青磁の日本特有の名称です。名称の由来は、千利休の所持していた「砧」という名の青磁の花生が著名であったためという説など諸説あります。


染付(そめつけ)

青花磁ともいい、純白の素地に藍色で山水や人物、楼閣などが描かれたものを指します。


芋頭(いもがしら)

 

南蛮水指の一種です。芋頭は、里芋の根茎のことをいい、里芋の形状に似ているところからこの名称があるといいます。

形は口がすぼみ、肩がなく、胴が中膨で、山水や楼閣などが描かれています。円座のあるものもあり、竹摘みで共蓋のものが喜ばれます。


平(ひら)

 

丈が低く、扁平な形をした水指です。口が広く、大蓋または割蓋が添えられます。水面がよくみえることから、夏の時季に使用されることが多くみられます。


桜川(さくらがわ)

古染付の型物水指です。平丸形で、流水に桜の花が描かれています。