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茶道具買取査定のポイント~掛物

2016/10/15

茶道具買取査定のポイント~掛物


茶席の床の間には、通常は軸装された掛物がかけられます。掛物は、神や裂で表装して掛けるように仕立てられたものをいい、茶掛ともいわれます。


掛物は、茶事・茶会において、亭主の意図するところや、季節感を端的に表現する第一のものとされます。

掛物は書かれた内容に加えて賞翫すべきものに、表装があります。茶席では、掛物の本紙だけでなく、一文字・風帯・中廻しなどに使われた裂地も鑑賞ポイントとなります。


掛物の種類

大きくは書蹟と絵画、書蹟と絵画が一体となった画賛に分けられます。


墨蹟(墨跡・ぼくせき)

墨蹟とは本来墨筆で書かれた文字のことをいいますが、一方で、茶道は禅に基盤を置き、初期の茶人はほとんどが禅の修行をしていたため、現在でも茶席で多く用いられています。 墨蹟には竪に長い竪物、横に長い横物があります。


また、語句が一行に書かれたものを一行物、一行に書き下ろされたものを竪一行、横に書かれたものを横一行といいます。

一行の脇には小さな文字がしたためられていることがあり、これを小書といいます。 茶席の末席に掛けられる墨跡は、茶道の先匠は大徳寺の禅僧に参禅するなどの関わりが深いことから、大徳寺の高僧の書は茶席で特に大切に用いられています。

また、歴代家元の掛物が茶席に掛けられることも多くありますが、歴代の家元は揮毫の際の落款(らっかん)・花押(かおう)が残されています。


落款:書画の筆者が署名し雅号を用いたものを落款といいます。もともとは、公文書に用いた印のことを指した語ですが、中国の宋代以降になると、署名の下に押された印章を指すようになりました。

花押:花押とは署名の下に印章を押すことを省略し、自身の署名であることを証明するために自身だけが使う文字のことです。掛物だけでなく、手紙の差出人、器物の製作者、鑑識者の標識として用いられます。


古筆切(こひつぎれ)

和歌集を主とした和様の優秀な古書蹟の断簡をいいます。もとは、巻子や冊子の形で伝えられた古筆の歌集などが手鑑や幅仕立にするために切断されたものです。


消息(しょうそく)

消息は手紙の雅称で、茶席では茶人の消息がもっとも歓迎されます。なお、添状といって、本席で使用している花入、茶入、茶碗などに添う手紙も、待合などに掛けられます。


懐紙(かいし)

天地約一尺五寸(45.5㎝)の檀紙、杉原紙、奉書紙などに和歌や詩などをしたためたものをいいます。懐紙の正式なスタイルは、紙の右端を少しあけ、季節詠題、官位姓名に続いて歌を四行に書きます。


詠草(えいそう)

懐紙より簡略なものです。和歌や俳句の草稿で、無地の杉原紙か奉書紙に書かれたものが多くみられます。


色紙(しきし)

方形の料紙で大小二種類があります。禅語や和歌、俳句などの一首、一句が書かれ、台張表装にして茶席の掛物とされます。


短冊(たんざく)

縦一尺五分(約34.8cm)、横一尺八分(約5.5㎝)を基準とした細長い料紙です。多くは和歌、俳句、狂歌などが書かれていますが、茶人の筆のものでは簡単な画賛などもみられます。


絵画(かいが)

唐画、大和絵、絵巻物などの中から茶味茶趣にかなうものだけが用いられてきました。待合掛として用いられることが多いようです。


画賛(がさん)

絵画に賛が書かれたもので、同一人物が賛を書いているものを特に自画賛といいます。賛の内容は語句、詩歌などさまざまなものがあります。


掛物~茶道具買取査定のポイント

墨蹟など掛物の買取査定では、その作品が誰の作であるかということがポイントとなってきますが、著名な作家の同じ作品であっても、保存状態などによって価格が変わってきます。


・保存状態(シミ、ヤケなどのほか、修復や加筆はないか)

・作品の出来・不出来、書の内容

・絹・紙などの素地、軸の種類

・年代、サイズ

・軸先の材質

・共箱や鑑定証の有無 など


掛物に付随する箱が二重箱の場合は価値が高いとみられる場合が多く、共箱が作品の題や落款と一致しているかといったことも確認されます。

大家の掛物は、偽物や贋作といった写しであることが多いため、箱書きなどが査定の際に重要な目安となります。

茶掛けなど掛物の査定に出すときは、壊れていても付随する共箱がありましたら、捨てずに必ずご提示ください。


また軸先に使われている材質には、象牙を筆頭に獣骨、陶器、木などさまざまなものが使われ、価値も異なりますが、プラスチックは最下位とされています。


このように同じ作家の作品であっても、様々な要素により買取査定額は異なります。

また、市場の需要と供給のバランスから、その相場も絶えず変動します。


査定をご依頼の際の写真を撮るポイント


掛物の値段は作者によって決まってきますが、落款や箱書きが普通の方では読み取れない場合も多くあります。また、作家がわかっていても一般の方にはその価値の判断は難しく、経験や目利きが必要となります。


ご処分・売却をお考えの掛物がありましたら、まずは下記の要領でお写真をお撮りいただき、いわの美術までオンライン査定LINE査定でお送りください。折り返し、担当の査定士よりおおよその買取査定額をご案内申し上げます。


・掛物全体がみえる写真

(大きなものに関しては、全体写真とは別に、要所を拡大して撮影されたものをお送り頂けますとより詳しく査定を行うことができます。)

・落款、署名が読み取れる写真

・共箱があれば、箱書きがみえる写真

・付属品


掛物はまとめてのお買取も致しております。一幅でお値段がつかない場合も、まとめてですと、買取させていただくケースもございますので、ご相談ください。


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