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花入の形状と種類~金属製

2016/09/30

花入の形状と種類~金属製


茶道の花入の素材には多種多様なものが用いられていますが、ここでは代表的な金属製の花入の種類と形状について説明します。


金属製の花入で最も多く用いられている素材は「真」の格として用いられる「唐銅(からかね)」です。その他、砂張、金紫銅、青銅などがあります。金肌の味わいや形式の優美さ地紋や意匠などが、花入の鑑賞のポイントです。


唐銅の花入は、唐、周(中国)の時代から鑑賞用としてつくられていましたが、実際に使用するものとしては、宋・元の時代以降とされています。 花入は元来、唐銅でつくられ、陶磁器のものはその模倣からうまれたものです。最初は唐銅だけであったものが、時代が下がるにつれ、素材や形が様々に発展していきました。


金属製の花入の形状

鶴首(つるくび)

鶴のように咽喉(首)がながいところからついた名称の花入です。


桃底(ももぞこ)

鶴首に見た目は似ていますが、底が桃の実のような丸みを持っているものをいいます。


曽呂利(ぞろり)

鶴首、桃底に比べ、さらに首が細長く、下部で少し膨らんでいる形状のものを指します。


下蕪(しもかぶら)

下部が膨らんでいるもので、逆蕪ともいいます。


角木(つのき)

 

角木割の略称で、鹿の角でつくった小さい鏑形の鏃(やじり)に似ているところからの名称です。


杵(きね)

 

杵形の花入を指します。


爵(しゃく)

 

中国古代につくられた三本足の酒器を写したものです。


経筒(きょうづつ

円筒形のもので、元来、経巻を納めて、土中や搭に埋めたものを、花入に転用したものです。共蓋が原則となっています。


薄端(うすばた)

 

口の部分で急に一文字形にひらいているものです。末広ともいいます。


月(つき)

 

釣花入で、月の形をしたものです。花鎖で釣るようになっています。


舟(ふね)

釣花入で、舟形をしています。月と同様、花鎖で釣るようになっています。


※茶道の作法は、流儀によって異なりますが、ここでは裏千家の作法をもとに教本などに沿って紹介しています。