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水指の形状と種類~やきもの(陶磁器)その3

2016/09/27

水指の形状と種類~やきもの(陶磁器)その3

  

その2につづき、やきもの(陶磁器)の水指を紹介します。

  

莨葉(たばこのは)

 

紅毛水指ともいわれます。紅毛(こうもう)は、江戸時代にオランダ船により舶載された陶磁器の総称で、「阿蘭陀焼」「和蘭焼」(おらんだやき)ともいいます。藍、黄、緑、赤などで描かれた文様が莨の葉のようにみえるところからの名称です。

  

南蛮(なんばん)

 

無釉の焼締陶で、火色の発色と焦げの対象の美しい景色が喜ばれます。呂宋(るそん)をはじめ南洋から舶来した稀少なもので珍重されています。

  

縄簾(なわすだれ)

南蛮の一種で、太い円筒の形状で、周囲に縄をいく筋も垂らして、簾とした模様が施されています。

  

ハンネラ

  

南蛮焼の一種で素焼きに近いものです。 江戸時代に輸入されたハンネラと呼ばれる極めて幼稚な土器があり、その大きさや形により水指・花入・建水などに用いられました。形状としては袋形が多く、土器のため水の含みがよく、素朴な味わいが喜ばれます。

  

雲鶴(うんかく)

  

雲鶴青磁の略称です。中国・高麗中期から末期にかけて焼かれ、飛雲に鶴の図案が多いことから、高麗象嵌青磁の代名詞となっています。

  

三島(みしま)

  

中国・高麗末期から李朝にかけて多く焼かれたもので、暦手、花、刷毛目、檜垣文様などがあります。

  

御本(ごほん)

  

江戸時代初期に日本からの注文により、朝鮮半島・釜山窯などで焼かれたものです。赤味のある斑文の景色が珍重されます。

  

信楽(しがらき)

 

滋賀県信楽で焼かれた無釉陶です。充分に焼成された火色と灰釉のかかった青、黄、褐色の釉の流れや、焦げなどの侘びた風情が、四畳半以下の茶席や木地の棚などに喜ばれます。村田珠光なども信楽の土物の水指を好んだとされています。

  

鬼桶(おにおけ)

 

信楽の一つです。農家で芋を煮るのに用いた桶に見立てた名とも、麻芋を入れておくのに用いた芋桶が転訛したともいわれ、名称の由来には諸説あります。

  

伊賀(いが)

  

三重県伊賀市(旧阿山町)にて焼かれている陶器で、中世から始まったといわれる日本有数の古陶です。信楽と同様の味わいをもっていますが、信楽より堅く、豪壮で変化に富んでいます。焦げが多くみられ、青緑のビードロ釉の美しいものがあります。